11. エピローグ
最後に残ったボロボロのノートとペンがあたしの冒険の証拠だった。これ、レンからもらったセイのノート。ページをめくったらあの時のことを鮮明に思い出せるんだ。一つになった二つの世界。たった一週間の冒険だったけど、ノート一杯に色んなことが広がってる。ジュンの家族のことも、ヨウも、シャンルーも、クロウも、マイも、マスターのことも。ユメの小言だった書き留めたよ。
いつどんな時だって諦めたらいけないと言ったよね。どんな結果になったとしても、したこととしなかったこととの間には決定的な差があるんだって。しないで作った後悔より、して作った後悔の方が何倍もましだって。しなかったことに対して「ああしたら良かった、こうしたら良かった」と愚にもつかないことを思って詰まらない時を過ごすより、やるだけのことをやったのなら、諦めもつくだろうって。そして、そこからまた新しいことを見付けて、始めたらいいんだって。そう教えてくれたよね。
そうしたら、どこへだって行けるような気がしたし、何だって出来るような気がしたよ。何もしないで、闇の中に光も見えないだなんて言っていたらダメなんだね。暗闇の中に光を見付けるのはあたししかいないんだ。あたし、夕方、窓際で泣くのはやめにするよ。その暇があるなら探してみる。あたしがホントにしたいこと。必ず見付けて、ユメに自慢してやるんだ。
けど、まだ終わっていないんだよね。でも、あたしはアクアリュージョンたちに会えて、良かったよ。誰も体験できな冒険に連れ出してくれてありがとう。そして、もうしばらく、お世話になるね。 |