12の精霊核

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--. finale(偽りなき思い出たちと)

 愛しのリボンちゃんへ。
 ロミィが大きくなったよ。この間まで雛だとばかり思ってたのに、今じゃ不死鳥の貫禄も出て、鋭い眼差しをしているんだ。けれど、生まれてからあまり進歩していないことがあって何だか知らないけど、ロミィはあたしの頭がお気に入りみたい。止まり木の代わりにして。頭が重いからいい加減にして欲しいんだけど、何であたしの頭の上なんだろ? ロミィにはロミィなりの理由があるんだろうけど、成長して重くなったから勘弁して欲しいんだけどなぁ。
 とロミィはさておき、みんなの近況報告をしておかなくちゃね。
 久須那は呪詛の後遺症もなく元気にしてる。サムはね、しばら〜く浪人してたんだけど、久須那にせっつかれ、ウィズの誘いもあってエスメラルダ期成同盟に入った。何か、エスメラルダには恩があるようなことを言ってたからちょうどいいんじゃないかな。ウィズは騎士団長に大出世! 迷夢がしきりに喜んでいたけれど、何でなのかは全くの謎。その迷夢は期成同盟の近辺をパタパタと飛び歩いてる。きっとなんか企んでるんだろうな、迷夢のことだから。デュレ。デュレは魔法学園を卒業してからは久須那と行動を共にしてるんだ。何でも、魔法を極めたいんだってさ。サスケははげ爺……もとい、ジャンルーク学園長に“思い出の肖像”ごともらわれていって、魔法学園の管理人をしてる。申はお師匠さまと話したいことがあるからとサラフィに帰っちゃった。また、来てくれるらしいけど、いつになる判らないって。ジーゼとクリルカはそれぞれ、森の奥と耳長亭で元気にやってる。でも、耳長亭って全然繁盛していないみたいなんだけど、大丈夫なのかな。
 そして、あたしはトレジャーハンティングをしているよ。トゥエルブクリスタルみたいなのにはまだ出会ってなくて、ちょっと物足りないんだけど。
 そして、キミはどうしてるのかな?
 リボンちゃん、キミは必ず帰ってくるんだよね。信じてる。

1517, Leo 27 あれから一年後、魔法学園教官宿舎、久須那さんちにて。セレス。